新型コロナ:第四類法定傳染病へ

新型コロナが、台湾では5月1日より、感染症法上の「5類」から「4類」になりました。5類は、黄熱病やエボラ出血熱で、4類はインフルエンザやツツガムシ病などが含まれます。日本では5月8日から感染症法上の「指定感染症」から「5類」に変更され、同じようにインフルエンザと同じ分類となりました。

それに伴い、マスク使用についても大幅に緩和されました。私個人の意見としては、マスクの着用目的は、感染している人が他人に飛沫をまき散らさないためと、自分が飛沫を吸い込んで感染しないため、だと考えています。飛沫をまき散らさない効果は、ある程度期待できますが、飛沫を吸い込まない効果は限定的です。子供については、発達段階や基礎疾患の有無を考慮して、マスク着用を判断しています。コロナウイルスの感染は発症前の潜伏期間でも起こることが多いため、症状の有無に関係なく、医療機関や老人ホームなどでは、マスクを着用することが重要です(台湾では5月31日以降も義務づけられています)。

台湾CDC 感染症分類:https://www.cdc.gov.tw/Disease/Index

上記で、コロナはインフルエンザと同じ感染症区分になったと申し上げましたが(日本でも台湾でも)、私が当直しているICUでは、コロナはコロナ患者さんで集めて、一つの病室(1人から4人)で診療しています。しかし、コロナと同じ「第四類法定傳染病」インフルエンザやツツガムシ病では、同疾患のみで隔離されるのか、というとそうではありません。山登りや離島などで感染者が報告されやすいツツガムシ病などは、そもそも人から人へ伝染りません。なので、法的分類が同じでも、感染力や感染経路を考えて治療にあたります。

台湾の健康保険証をお持ちであれば、本来高額なコロナ治療薬である抗ウイルス薬も、引き続き健康保険適応となっています。CDCへ報告した場合、原則的に、入院時の隔離期間が長くなります(7日間→10日など)。このようなコロナ禍の経験は今後の新しい感染症にも生かされる可能性があり、マスクや手洗い、換気などの衛生習慣の重要性が再認識され、高齢者施設など脆弱な人々を守るノウハウも蓄積されました。しかし、患者の受け入れ体制などには、まだまだ課題が残っているといえます。今回のパンデミックから得た教訓は感染症だけでなく、自然災害などにも活かすべきだと考えています。

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