PTSDはPost Traumatic Stress Disorderの略称で、心的外傷後ストレス障害と訳されます。極端なストレス(戦争、犯罪被害、虐待、交通事故、自然災害など)や死の危険に直面した後、その体験の記憶がフラッシュバックのように思い出されたり、不安や緊張が続き、現実感がなくなったりする状態です。一昨日(3/11)のNHK報道によると、医師などで作る研究グループ(早稲田大学)が、東京電力福島第一原子力発電所の事故の影響で避難生活を余儀なくされている人に調査を行ったところ、地震から11年経った今でも3割を超える人にPTSDの疑いがあることが分かりました。
私も被災当時は一時帰国中で、大学の研究室にいて、地震そのものが怖かったというよりも、慌てて逃げる学生や悲鳴が恐怖心を駆り立てました。先生と地震で崩れた本棚の書類を整理しながらテレビのニュースをみていたら、東北での津波の様子が映し出され、これは本当に大変なことになったという気持ちで、一時間以上歩いて自宅まで帰りました。その後、台湾から200億円の義援金が届けられたことを知り、2016年台灣南部大地震の際は、横倒しになった台南の16階立てビル撤去作業のお手伝いにも参加しました。
台灣では東北大震災への援助に対する感謝と友好イベントが行われていて、日本台灣交流協会は、今年も台北と高雄の地下鉄駅に日台友好の特設メッセージ書込みボードを作りました。本協会の野崎理事長は、Mr.ラーメンを台灣全国に経営しながら、毎年3月11日に「買一送一」キャンペーン(ラーメン一杯買うと一杯無料)を行っています。本協会は定期的に絵本読み聞かせボランティアをしていて、今月は「防災」に関する絵本を台南市の図書館に寄贈しました。私達は清掃活動などの慈善活動の他に、台湾語サークル、ビール愛好会、お花見などの地域交流を深める活動を随時行っています。また、毎月の例会/講演会として、今月はバイリンガル落語家の戴開成(開楽亭凡笑)氏をお呼びして、落語をご披露いただくと共に、ご自身の半生を振り返りつつ、台湾でどのように活動してきたかについてお話していただく予定です。
もしご興味がありましたら、こちらからお申し込みください。
写真:日本台灣交流協会より
早稲田大学&大学院で医療人類学修了、姉妹校の高雄医学大学医学部編入、医師免許取得後、台南の医学センターで研修を終え、消化器内科フェロー、チーフレジデント。台南出身の妻と娘の三人暮らし。早大時ヒマラヤ未踏峰初登頂(6,650m)を果たすが、登山パートナーの死を契機に医学の道へ。日本の鍼灸国家資格も取得済で東西の医療に通じた総合診療、消化器内科医を目指す。
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