CART:Cell-free and Concentrated Ascites Reinfusion Therapyは患者の腹水を採取し、濾過濃縮後に再静注する治療法です(胸水plural effusionも可)。日本で開発され保険診療として約 40 年ほど幅広く実施されてきました。
CART はがんや肝硬変などの原因で発生した難治性腹水に適応し、症状緩和だけでなく感染リスクを減らす(自己蛋白の再使用)などのメリットがある反面、腹水中のエンドトキシン検出者や免疫不全患者には禁忌という制限があります。
今年7月末に発表されたメタアナリシスによると、 がん性腹膜炎による難治性腹水患者を主な対象(2567名)に調査し、腹部膨満感、呼吸困難などの改善以外にパフォーマンスステータスの向上がみられました。しかし、発熱などの体温上昇が懸念され、新たな大規模クリニカルトライアルの必要性が示されました。台湾ではほとんど行われていない治療法が日本では保険治療として認可されているのは非常に興味深いです。
ニュースでも紹介させて頂きましたが、奇美醫院にて在留邦人向けに日本語対応でAZワクチン接種が行われました。
台湾政府、台南市、交流協会、奇美病院が一体となって協力してくださいました。感謝申し上げます。ありがとうございました。
早稲田大学&大学院で医療人類学修了、姉妹校の高雄医学大学医学部編入、医師免許取得後、台南の医学センターで研修を終え、消化器内科フェロー、チーフレジデント。台南出身の妻と娘の三人暮らし。早大時ヒマラヤ未踏峰初登頂(6,650m)を果たすが、登山パートナーの死を契機に医学の道へ。日本の鍼灸国家資格も取得済で東西の医療に通じた総合診療、消化器内科医を目指す。
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