敗血症治療のガイドラインであるSepsis surviving campaignが今月改定されました。
敗血症は致死率が高く、緊急性を要する病態で、1991年、2001年、2016年、2020年と定義が見直され、今年も診断や治療などの変更がありました。
SIRS(Systemic Inflammatory Response Syndrome)は致命的な多臓器不全状態の前段階として提唱され、後にSOFA(Sequential Organ Failure Assessment)へ変更されたたものの、評価項目が多くqSOFA(quick Sequential Organ Failure Assessment)で代用されることもあります。しかしqSOFAの敏感度は低く、単独での使用は勧められません。NEWS(National Early Warning Score)やMEWS(Modified Early Warning Score)の併用が推奨されています。
敗血症/ショックの疑いの際は乳酸(Lactate)を測定するとともに、確定診断の1時間以内に抗生物質の使用をすることが理想であるとされました。
また昇圧薬はNorepinephrineが第一選択薬で平均動脈圧 ≧ 65mmHgを維持し、循環量や動脈圧が十分でも敗血症ショック+心機能異常で依然としてHypoperfusionの際はVasopression、Dobutamine + NorepinephrineあるいはEpinephrine単独使用が推奨されました。
感染源を探すとともに、適切な抗生物質の使用、変更と中止が重要です。
参考資料:Surviving sepsis campaign: international guidelines for management of sepsis and septic shock 2021
早稲田大学&大学院で医療人類学修了、姉妹校の高雄医学大学医学部編入、医師免許取得後、台南の医学センターで研修を終え、消化器内科フェロー、チーフレジデント。台南出身の妻と娘の三人暮らし。早大時ヒマラヤ未踏峰初登頂(6,650m)を果たすが、登山パートナーの死を契機に医学の道へ。日本の鍼灸国家資格も取得済で東西の医療に通じた総合診療、消化器内科医を目指す。
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