日本は今まで3回にわたりアストラゼネカ製のワクチン接種334万回分を台湾に寄付してきましたが、昨日44万回分を新たに台湾へ提供することが発表されました。
6月に124万回分、7月に113万と97万回分そして今回4回目のワクチン援助を受けて、台湾政府は在台日本人接種のため特別に日本人名簿を作成する方針を明らかにしました。
振り返れば台南市長は6月初旬に地方自治体の長のなかで一番早くこの声明をだしてくださいました。人情味溢れる恩返しの気持ちに感謝したいと思います。
現在の台湾国内全体の第一回目ワクチン接種完了率は約43%(2021年9月2日まで)とされていて、アストラゼネカ以外にモデルナと高端製(台湾国産)の三種類のワクチンが使われています。BNT、COVAXや聯亞(台湾国産)のワクチンもこれから接種が始まる予定で、8月末には中央感染症指揮センター陳時中指揮官から「ワクチン購入状況は十分である」というコメントが出されました。しかし、台湾が購入したワクチンが海外から本土へ到着するまでは時間がかかり、日本のように直接ワクチンを提供してくれるのは、台湾国内全域の接種スケジュールをたてる上でも効率がいい手段と言えそうです。
日本の他にも、アメリカ、リトアニア、スロバキアやチェコなど海外諸国もワクチン援助を進めています。
気をつけなければならない点として、日本ではまだワクチン混合接種(アストラゼネカ+モデルナ或ファイザー)が認められておらず、台湾でアストラゼネカの一回目接種を受けたのち日本で二回目接種を考えている場合は、日本に行った後mRNAワクチンを打つことができず、アストラゼネカ接種の順番を待たなければなりません。
私自身は5月に二回目のアストラゼネカワクチン接種を完了しました。
心の通った日台協力に感謝します。ありがとうございました。
参考資料:蔡英文総統FB、COVID-19全球疫情地圖
早稲田大学&大学院で医療人類学修了、姉妹校の高雄医学大学医学部編入、医師免許取得後、台南の医学センターで研修を終え、消化器内科フェロー、チーフレジデント。台南出身の妻と娘の三人暮らし。早大時ヒマラヤ未踏峰初登頂(6,650m)を果たすが、登山パートナーの死を契機に医学の道へ。日本の鍼灸国家資格も取得済で東西の医療に通じた総合診療、消化器内科医を目指す。
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