~台南市日本人協会台湾語サークル、新たな一歩~
台湾では近年、「台湾語(台語)」を次の世代へ受け継いでいこうという機運が高まり、行政・教育機関・大学・市民団体が連携しながら、さまざまな取り組みが進められています。
私たち台南市日本人協会台湾語サークルも、これまで老師方のご指導のもと、教室で台湾語を学び続けてきました。少しずつ会話ができるようになり、台湾語の奥深さや面白さを実感する一方で、「教室の外で台湾語を使う機会がもっとあれば」という思いも次第に強くなってきました。
これからは、これまで大切に積み重ねてきた「学ぶ」ことを土台にしながら、地域との交流にも積極的に参加し、台湾語を実際に「使う」機会を増やしていきたい。その第一歩として、7月に二つの貴重なイベントへ参加しました。
1.台南市文化局との意見交換会
7月23日、台南市政府文化局文化研究科の皆様との意見交換会を実施し、奥西理事長、関口監事と斎藤が出席しました。


写真1・2)太平境馬雅各紀念教会
会場となった太平境馬雅各紀念教会では、まず館内の資料館をご案内いただき、台湾語教育の黎明期に使われていた貴重な資料を見学しました。中でも印象的だったのは、100年以上前に作られた台湾語教材にも、現在私たちが授業で学んでいる発音や声調、変調の考え方が取り入れられていたことです。長い年月を経ても受け継がれてきた学習方法に触れ、台湾語教育の歴史と文化の深さを改めて感じました。



写真3・4・5)現存している台湾語の教材
その後、文化局の皆さまから「台語家庭育成計畫」についてご説明をいただき、私たちからは台湾語サークルの活動を紹介するとともに、「日本人学習者は教室の外で台湾語を使う機会が少ないため、このような活動に積極的に参加したい」とお伝えしました。
文化局からは、制度上プラットフォームに登録できない外国人もいるものの、登録の有無に関わらず参加できるイベントは数多くあるので、ぜひ積極的に参加してほしいとのお話をいただきました。
今年3月に王育德紀念館への寄付を通じてご縁をいただいて以来、今回の意見交換によってさらに交流が深まり、今後も協力しながら活動していける関係を築くことができました。
2.「台南成為台語首都」宣言式への参加
7月29日には、国立成功大学台湾文学系・陳麗君主任より「台南成為台語首都」宣言式にお誘いいただき、台南市日本人協会台湾語サークルから関口監事と斎藤が参加しました。
会場には、黄偉哲台南市長をはじめ、市議会関係者、大学関係者、台湾語教育に携わる多くの方々が集まり、台湾語文化の未来について考える、とても意義深い式典となりました。


写真6・7)宣言式の様子
特に印象に残ったのは、主催者である陳主任のスピーチです。台湾語を日常生活の中で使い続けることの大切さ、そして社会全体で次の世代へ受け継いでいくことの意義について語られ、その言葉には大きな説得力がありました。
私たちにとっても、日本人が台湾で台湾語を学び、その活動に参加していることを多くの方に知っていただく貴重な機会となりました。


写真8・9)成功大学・陳主任のスピーチ
また、行政だけでなく大学や民間団体も一体となって台湾語の普及に取り組んでいる姿を目の当たりにし、今後私たちも「族語復振連線」をはじめとするさまざまな団体と交流しながら、地域の中で台湾語を使う機会を増やしていきたいという思いを新たにしました。

写真10)宣言式終了後の様子
これからの台湾語サークル
今回参加した二つのイベントを通して、改めて感じたことがあります。
それは、台湾語は教室だけで学ぶものではなく、人との交流や地域とのつながりの中で少しずつ身についていく言葉だということです。しかし、その一歩を踏み出すことができたのは、これまで老師方と一緒に積み重ねてきた学びがあったからです。
私たちの台湾語サークルは、「学ぶ」ことを終えるわけではありません。
これからも両講座の郭老師、薛老師のご指導のもと、基礎をしっかり学び続けながら、その学びを地域のイベントや交流の場で実際に使い、そこで得た新しい気づきや経験を再び教室へ持ち帰る。そのような循環を大切にしながら、少しずつ成長していきたいと考えています。
日本人が台湾語を学ぶことは、単に言葉を覚えることではありません。台湾の文化や歴史、人とのつながりをより深く理解することでもあります。これからも台南市日本人協会台湾語サークルは、老師方とともに歩みながら、「学ぶ」と「使う」の両方を大切にし、日本人ならではの視点で台湾語と向き合い、地域との交流を深めていきたいと思います。
このような活動に興味のある方のご参加を、サークル一同心よりお待ちしております!
<プロフィール>
斎藤 忠孝(さいとう ただたか)
台湾と関わって三十年、好きが高じて、2024年6月から台南へ移住。
「台日友好なら何でもやる会社」を立ち上げ、日々台湾中を駆け回っています。


コメント