1月10日、アメリカのメリーランド大学医学部において、末期の心臓病を患う米国人男性に遺伝子操作したブタの心臓を移植する手術を世界で初めて行ったと発表されました。食品医薬品局(FDA)の審査を経た実験的な手術であり、臓器移植の研究としても期待されています。
人を対象とする医学系研究は、研究倫理審査(Institutional Review Board:IRB)で倫理性、安全性、科学的妥当性などの厳密な審議を経たのちに当該試験が行われます。またカルテを使ったデータ分析も同様で、実施の問題点などを記した研究計画書などを事前に申請し、審査委員会の承認が必要です。計画書は中国語、カルテや論文はすべて英語と言語スイッチを切り替えながら進めます。医学センターの「住院醫師:resident doctor」はこの文字如く病院に住み込むように臨床に時間を費やしていますが、勤務後に研究やレポート制作をしているのがほとんどです。
台湾中南部でもコロナ患者さんの受け入れが始まっています。以前コラム「今日COVID-19確定病例が示すもの」で紹介したように、仕事の関係で台南に来て、台南の病院で陽性がみつかるケースがありました。この患者さんの居住地が台北だったため、この場合は台南でなく台北の感染患者としてカウントされました。
今は海外からの陽性患者が多いですが、市中感染も収まっていません。今後も防疫情報に注意しましょう。
早稲田大学&大学院で医療人類学修了、姉妹校の高雄医学大学医学部編入、医師免許取得後、台南の医学センターで研修を終え、消化器内科フェロー、チーフレジデント。台南出身の妻と娘の三人暮らし。早大時ヒマラヤ未踏峰初登頂(6,650m)を果たすが、登山パートナーの死を契機に医学の道へ。日本の鍼灸国家資格も取得済で東西の医療に通じた総合診療、消化器内科医を目指す。
コメント