多文化共生社会の介護

台湾は先住民、オランダ、スペイン、日本や中国など様々な国の影響を受け、多文化移民社会のなかで発展してきました。清の時代は、福建省から台湾へ渡った人が多かったため、その地方の言葉が現在は台湾語(閩南語)として普及しています。

台湾人と結婚し台湾に移り住んだ海外籍配偶者のことを、現代では「新住民」と呼び、最新の統計である2021年8月発行の中華民国内政部移民署の「各自治体における国籍別外国籍者、外国人配偶者及び中国大陸(香港、マカオを含む)出身者数」から新住民数を比較すると、日本人はベトナム、インドネシア、フィリピン、タイに続いて5番目に多く、5年前の統計と比べても日本人新住民は増加傾向にあります。

また、以前コラムでも紹介させて頂きましたが、現在台湾では産業に従事する外国人労働者が45.5万人、ヘルパーなど社会福祉に従事している外国人労働者が23.5万人働いています。台湾の介護現場では、高齢社会に伴って上記の外国籍ヘルパーが日本よりも圧倒的に多く、台湾人患者を病床でお世話するベトナム、インドネシア、フィリピン人ヘルパーさんたちと病院でよくお話しします。中には中国語、台湾語、英語もあまり話せない外国籍ヘルパーさんもいるので、私達はスマホのグーグル翻訳を使ったり、通訳さんに電話したりして、ケアの注意点などを伝えています。彼らは患者さんと一緒に過ごす時間が長い大事なキーパーソンで、これまでは規定によりヘルパーになっても最長14年で帰国しなければなりませんでしたが、改正案では労働5年後に永久居留証の申請及び家族の訪台が可能になるとされています。

台湾は多種多様な文化を受け入れてきた歴史があると同時に、高齢化や国際社会に向き合い、臨機応変に制度を変える柔軟性をも備えています。私達も学べばせてもらうところが多く、今後も包括的に連携して、お互いを助け合いながら成長していければ、と思います。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

参考ニュース&コラム
外国人労働者の条件緩和が検討されています
速報:永久居留証所持者がコロナ支援の対象となりました

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