ワクチン誘発性免疫性血栓性血小板減少症の臨床徴候

AZワクチン副反応

今月NEJM(The New England Journal of Medicine)からワクチン誘発性免疫性血栓性血小板減少症VITT(Vaccine-Induced Immune Thrombocytopenia and Thrombosis)に関する前向きコホート研究が発表されました。

VITTの危険因子、治療、および予後不良因子の探索を目的とし、対象者294名のうち170名のVITT確定例(definite)、50名のVITT疑い例(Probable)を同定しています。

VITT確定条件(以下の条件5つすべて適合)
1.症状がワクチン注射後5-30日以内(あるいは42日以内に単独でDVTか肺動脈塞栓)にみつかったもの
2.塞栓の病徴
3.血小板低下(血小板< 150,000/mm3)
4.D-dimer > 4000 FEU (fibrinogen-equivalent unit)
5.抗血小板第4因子抗体(anti-platelet factor 4 [PF4] antibody)陽性

VITT疑い例(以下の条件1つ適合)
1.D-dimer > 4000 FEU,しかしdefiniteの診断条件に合わない例(発生時間、塞栓の病徴、血小板低下あるいはPF4抗体陽性)
2.D-dimerの値が2000–4000 FEUあるいは検測されず、他の4つの条件すべて適合

研究結果

対象年齢は18~79歳(中央値48歳)で性差はありませんでした。

全体の死亡率は22%、血小板数3万以下の脳出血死亡率は73%で、血栓症は脳静脈、肺動脈などに認め、複数部位に認める症例も多くみられました。
血小板数が3万以下で脳静脈塞栓や広汎性塞栓を認める場合は、抗凝血薬以外に積極的なアフェレシスや免疫グロブリン療法が推奨されました。一方で危険因子は特定できませんでした。

私が働いている病院では患者さんの入院時に、コロナワクチンの種類、接種日や回数など聞くようにしています。上記のVITT確定条件と同様な診断プロトコルがあり、治療方法についても共有されています。

来週28日は台南でコロナを一緒に学ぶというイベントを予定しています。どうぞよろしくお願いします。

引用:Clinical Features of Vaccine-Induced Immune Thrombocytopenia and Thrombosis,August 11, 2021

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